韓国に掲載された「星から来たあなた」の全面広告 |
19日付け朝鮮日報に、「アジア『星から来たあなた』ファンの名誉回復行動」と称する全面広告が掲載された。内容は、かつて「韓国ドラマを好んで見るのは、比較的低学歴・低収入の人々」とする論文を発表したソウル大学の姜明求教授に対し、中国で大ブームを巻き起こした韓国ドラマ「星から来たあなた」のキム・スヒョン扮する主人公「ト教授」に謝罪するよう求めるもので、中韓二カ国語で併記されている。実はこれは、中国の「星から来たあなた」ファンが自費で出稿した広告で、「朝鮮日報」の社会版と国際版の間に掲載された。業界関係者によると、広告費は少なくとも十数万元(約200万円)はするという。環球時報が伝えた。
同広告はまず、ソウル大学言論情報学科の姜教授の論文に関する韓国メディアの報道を引用した。姜教授の論文は、高学歴、高収入の人々は理性的で軽快感のある米国・日本ドラマを好み、低学籍、低収入の人々は非論理的で、感情に訴える韓国ドラマを好むとしている。広告には、「姜教授、あなたは間違っている!我々は韓国ドラマを愛している。我々はト・ミンジュン氏を愛している。でも、我々は高いIQをより愛している」というコピーが並んでいる。さらに3月21日にキム・スヒョンが出演する、中国のテレビ局のIQを競う視聴者参加型バラエティ番組を見るようアピールし、姜教授に謝罪するよう求めている。
広告が指しているソウル大学言論情報学科の姜教授は、アジア研究所研究員5人とともに執筆した論文「中国テレビ視聴者のドラマ嗜好ガイド」を2013年6月、学術雑誌「放送文化研究」に発表した。論文の研究目的は、中国視聴者の各種ドラマの受け入れレベルを通して、視聴者の消費傾向や嗜好を分析することという。論文チームは昨年1月、20歳から50歳の北京市民400人を対象に好きなドラマについてのアンケート調査を行った結果、回答者の好きなドラマは、上から順番に、米国ドラマ、香港ドラマ、韓国ドラマ、台湾ドラマ、日本ドラマ、タイドラマとなった。米国ドラマを好きな人は全体の47.6%、韓国ドラマは28.2%だった。さらに、視聴者の収入と学歴をもとに4つの組み合わせに分けて研究した結果、▽低学歴・高収入グループは、比較的現実的で、論理的なドラマ▽高学歴・高収入グループは、理性的で軽快感のあるドラマ▽低学歴・低収入グループは比較的、非論理的で、感情に訴えるストーリー▽高学歴・低収入グループはロマンチックでファッショナブルなドラマ――をそれぞれ好んだという。
姜教授は韓国メディアに対し、「論文が議論を呼んでいるのは、メディアが簡略化・歪曲化された報道をしたため。本来の目的は、中国の視聴者が様々なドラマを好んでいることを説明すること」と語っている。19日には、「中国と韓国の視聴者に謝罪するべき」と姜教授を批判するコメントを書き込む韓国のネットユーザーも増えた。しかし、論文が曲解されたとまでは言わなくても、「こんなささいなことで、海外に自費で広告を掲載するなんて、中国人は少しおかしい」という見方を示す人もいた。(編集MZ)
人民網日本語版2014年3月21日