それはかつてUFOと勘違いされ、数世紀に渡り合理的な説明が加えられなかった。しかし中国人科学者はこのほど、雷雨の日に出現した自然現象「球電」の動画撮影に初成功した。北京日報が伝えた。
蘭州西北師範大学の研究者は、青海省の雷雨の日の放射能マップを作成した際に、この捉えがたい光の玉を記録した。光の玉は地面から浮かび上がり、一本の稲妻になり、地上を15メートル移動したあと消滅した。研究者によると、この光の玉の直径は約5メートルで、姿が確認された時間は2秒未満だった。この2012年に発生した雷雨の動画と光の玉は、自然界の球電に関する初めての科学的記録とされている。
同研究の詳細内容は、このほど出版された「フィジカル・レビュー・レターズ」に掲載され、球電が実際に存在することを証明し、かつ球電がいかに存在するかに関する重要な手がかりを提供した。
蘭州西北師範大学の研究者は今回、分光計を利用し球電を記録し、球電を構成する主要元素を識別した。研究者は球電に、鉄分、ケイ素、カルシウムが含まれることを発見した。これは土壌の主要成分と合致している。
James Dinniss氏などの研究者は2000年に発表した研究報告の中で、球電は地上に直撃した普通の雷である可能性が高く、巨大なエネルギーを持つため、土壌に含まれる二酸化ケイ素を蒸発させられると指摘していた。
◆球電とは?
球電(ボール・ライトニング)は雷の一種で、雷雨の日に発生する球形の雷だ。科学界は球電という現象の信ぴょう性を疑っていたが、数十年前になり実際に存在するとされた。
数百人が球電を見たことがあるというが、球電は数百年間に渡り解けない謎であった。球電はドアや窓の隙間を通過し部屋に入り、時には爆発して建築物を破壊し、人や家畜を傷つけることもある。球電は移動の際に、どのような障害物に遭遇しても通過できるが、周囲の可燃物を燃やすことはない。一つの球電が爆発した際に放出されるエネルギーは、10キロ分のダイナマイトに相当し、焦げ跡や硫黄臭・オゾン臭を残すことが多い。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月29日