微信の「お年玉」は、オンライン決済サービス・支付宝や新浪微博(ウェイボー)がこのほどリリースした同様のサービスと同じく、手軽で新選な体験により人気を集めている。このお年玉争奪戦の裏側で、IT各社が奪い合っているのはより多くのユーザー数であり、優れた体験により新規ユーザーを獲得しようとしている。
当然ながら、どれほど素晴らしい体験であっても、市場とユーザーの需要を発掘しなければならない。春節(旧正月)のお年玉は伝統的な習慣であり、確かな需要が存在する。春節期間、人々の交流が頻繁になるが、モバイル端末向けアプリの開発者はこの「天と地と人の利」を得るチャンスを利用し、若者を中心とするモバイル消費群を獲得しようとしている。彼らにモバイルアプリの習慣を実家や家族の元に持ち帰らせ、より大きな市場を獲得しようというのだ。
微信の創始者である張小龍氏は、「ユーザーエクスペリエンスは、モバイルネットワークの競争のカギだ」と指摘した。多くのインターネット関連商品は、人と人のつながりを利用し、ユーザーの連鎖反応を生み、ユーザーを通じ他のユーザーに働きかける。これは数億元の広告を出すよりも、高い効果を得られる。
表面的にはユーザーがお年玉を争奪しているように見えるが、その裏側ではインターネット大手がユーザーのモバイル決済の習慣を争奪しているのだ。モバイルネットワークの時代、先に優れた体験によりユーザーを引き留め、その習慣を形成した企業が、未来の競争において大きな主導権を手にすることができる。今回のお年玉争奪戦ばかりでなく、タクシー配車アプリが金を払ってまでタクシーを配車するのにも、同じ狙いがある。
このような表と裏の争奪戦は、モバイルネットワーク以外の分野でも進められている。これから、私たちの暮らしにどのような変動がもたらされるのだろうか?今後の経過に注目だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月30日