南京の紫金山天文台、朝鮮の衛星を観測可能
【中日対訳】 朝鮮は12日、衛星「光明星3号」を打ち上げ、予定の軌道に投入したと宣言した。しかしメディアの報道によると、米国は「完全に安定した軌道上にあるのかどうかは分からない」、「完全に制御できていない可能性がある」との見方を示している。人民網が伝えた。
中国の宇宙飛行専門家・ホウ之浩氏は「現在までに朝鮮の同衛星について発表された情報は少なく、衛星の状態や、作動が可能かどうかも明らかになっていない。しかし、この衛星の宇宙での状態がどうであれ、朝鮮が自主開発したキャリアロケットを使用して衛星を近地球軌道に投入し、朝鮮宇宙技術の大きな飛躍を示したことは確かだ」と語る。
各方面の情報から「光明星3号」はほぼ予定の軌道に投入されたと見られる。しかし、衛星を正常に作動させるには「軌道投入」だけは不十分だ。ホウ氏は「作動時には衛星本体の姿勢が非常に重要だ。もし姿勢制御がうまくいかなければ、宇宙空間を周回しても地球観測はできない」と語る。
さらに悪いことに、この衛星がもし制御不能となれば、スペースデブリ(宇宙ゴミ)となる可能性があり、いつ他のデブリと衝突するかわからない。
現在、世界各国が同衛星の動向を見守っている。EU、ロシアなどの各国が観測しているほか、中国南京の紫金山天文台にある光学望遠鏡でも観測が可能だ。しかしホウ氏は、「現在もっとも権威ある観測結果はやはり米国の観測結果だ」と語る。ホウ氏によると、米国には最先端の宇宙監視ネットワークがあり、従来の光学・レーダーなどの観測方式だけでなく、衛星をベースとする観測システムを有し、リアルタイムでスペースデブリをモニタリングしている。光明星3号がある低軌道では、同システムは10センチサイズのスペースデブリまで探査することができるという。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年12月17日