○完全に影を潜める「父の日」販売キャンペーン
今週末は「父の日」だ。夏に祝祭日が少ないことから、「父の日」は例年、各商店にとって稼ぎ時だが、今年は、この「父の日」に力を入れていない商店が多く、全く無視している店さえある。それに取って代わって熱を帯びているのがW杯商戦という訳だ。
天虹百貨の最新の販促パンフレットは、ほぼ半分が、W杯で需要が増すと予想されるビールやおつまみの宣伝で占められ、これらの商品が「グループリーグ形式」で紹介されている。「父の日」が同パンフレットの対応期間に含まれていたにも関わらず、「父の日」という言葉はパンフレットのどこにも掲載されていなかった。このような状況は、同店に限らず、北京の他の店舗でも同様だ。某有名店のマーケティング担当者は、「『父の日』に比べ、W杯に絡む販促の方が、はるかに効果的だ。まず、期間が長い。『父の日』は1日だけだが、W杯は1カ月に及ぶ。大会が進むにつれて、よりターゲットを絞った販促プランを立てることができる」とコメントした。
○映画館の売上、W杯の影響なし
北京新影聯院シネコン、UME華星国際電影院、ブロードウェイ・シネマティークなど北京の多数の映画館は軒並み、W杯中継を上映する計画はないという。その理由として、まず、夏になり、新作映画が多数登場し、映画館が上映作品に事欠くことがないという事情が挙げられる。2番目に、時差の関係で、W杯の試合はほとんど北京時間の真夜中に行われ、映画館のゴールデンタイムとバッティングしないため、W杯の開催が客足の減少につながる恐れはないという理由からだ。
UME華星国際電影院の劉暉マネージャーは、「W杯の中継を行う場合、映画館の従業員は徹夜での仕事を続けなければならず、人件費コストが膨れ上がってしまう」と指摘した。また、ある映画館の関係者は、「過去に、ある映画館がW杯の3D中継を試みたことがあるが、映像信号がかなり不安定になり、結局、映画館側とサッカーファン、いずれも楽しめない結果に終わった。この苦い経験が、多くの業界関係者にとってトラウマとなっている」と語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月12日