サッカーW杯ブラジル大会の開幕式で、世界中の観客は不思議な場面を目にすることになるだろう。麻痺の症状を持つあるブラジル人青年がW杯開幕戦のキックオフを行なうのだ。彼は数カ国の科学者が研究開発した、脳の信号に基づき立ち上がったり歩行することを実現する「外骨格」のロボットシステムを着用する。
報道によると、12日にカリフォルニア州立大学バークレー校のKazerooni教授と彼のチームが、このブラジル人青年の動作を注意深く見守ることになる。先週、バークレー校の運動場で、別の20代のマヒを持つ青年もサッカーボールを蹴ることに成功している。
これまで、マヒの患者がある動作をしようと思ったら、複雑なセンサーやジャイロ、油圧伝動システムなどが必要だった。ブラジルのこの青年が使用する外骨格制御機はブラジルの神経科学者、ミゲル・ニコレリス氏とドイツ・ミュンヘン理工大学のゴードン・チェン氏が30年かけて共同で開発したもので、マヒ患者の行動を支援する最も先進的な技術だ。こうした外骨格ロボットシステムのコストは2万ドルに達し、重さは10キロ近くで、患者は体に「着用」することができる。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年6月12日