1億ドルの融資を手にした中粮集団傘下の食品系通販サイト「我買網」は、今後の経営に自信を深めている。我買網はこのほど、2回目の1億ドルの資金調達を完了したことを発表した。同融資はIDGベンチャーズが中心となり、1回目で中心となったソフトバンク系ファンド「SAIF」も追加出資を行った。資金調達完了後も、中粮集団が筆頭株主を維持する。これらの資金は海外直接買い付け、サプライチェーン、生鮮食品の配送などの強化に用いられる。北京商報が伝えた。
我買網の関係者は、「今回の資金調達では、IDGベンチャーズがEC業界最大の投資家となった。SAIFは昨年7月の時点で数千万ドルを出資していたことから、今回は追加出資となった。当サイトは海外直接買い付け事業の拡大を続ける。当サイトの海外直接買い付けの比率は15%に達しており、下半期はそのSKU(在庫管理の単位)を500弱に増やし、高級牛乳、牛肉、魚介類、ジュース、ワイン、水などを中心的な品目とする」と表明した。
我買網は親会社の海外子会社から調達の支援を受けることができる。中粮米国、中粮欧州、中粮ドイツなどが、同サイトの提携先となっている。同サイトは今年6月、専用機で米国のさくらんぼを調達した。タイのマンゴスチンも、同サイトの海外直接買い付けのターゲットになっている。
EC業界アナリストの魯振旺氏は、「海外直接買い付けは同サイトの、生鮮食品販売の武器になる。生鮮食品を取り扱うECの品質は不揃いで、大半の経営はバイヤーを採用している。これでは品質も配送時間も保証されない。同サイトは資金調達後、海外直接買い付けを拡大し、国内の生鮮食品配送システムの完備に取り組むことになる」と予想した。
しかし一部の業界関係者は、「中粮集団が国有企業であることは、長所でもあれば短所でもある。市場化が進められなければ、同サイトの経営拡大が影響を受けることになる」と指摘した。中粮集団の寧高寧董事長は、「市場化経営モデルを構築する。複数の資金調達ルートの開拓は、企業の未来の発展にとっても有益だ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年8月4日