京東　IPO価格帯を確定　調達額16.9億ドル

　インターネットショッピング大手の京東は11日、米国の証券取引委員会（SEC）に提出した新規株式公開（IPO）の申請書類を訂正し、価格帯を1株16-18ドル（約1631-1835円、約99-111元）にすることを明らかにした。この価格で計算すると、京東は今回のIPOで最大16億9千万ドル（約1723億円、約104億元）の資金を調達することになる。また総発行株式から計算すると、京東の時価総額は222億ドル（約2兆2637億円）に達する見込みだ。今から6年前、京東が受けた融資額は22億3千万ドル（約2273億円、約137億元）だった。「京華時報」が伝えた。

　京東は今年1月30日、SECにIPO申請書類を提出し、米国上場に向けて動き始めた。上場を目指すのはナスダック・セレクト・マーケットで、証券コードは「JD」。今回、京東は申請書類をたびたび訂正して、同社の株式構造と近年の営業収益や純利益などの情報を公開している。2013年の純営業収益は693億元（約1兆1335億円）で、12年の414億元（約6772億円）や11年の211億元（約3451億円）を上回った。また13年の営業損失は5億7900万元（約94億円）にとどまり、12年の19億5100万元（約319億円）や11年の14億400万元（約229億円）を下回った。海外メディアの報道によると、京東は米国現地時間の今月22日にナスダックに上場する見込みだが、京東サイトはこの情報についてコメントを発表していない。

　興味深いのは、電子商取引（eコマース）大手の阿里巴巴（アリババ）も先週、SECにIPOの申請書類を提出していることだ。外界の予測によると、阿里巴巴の調達資金は160億ドル（約1兆6313億円）から200億ドル（約2兆392億円）に上り、時価総額は1500億ドル（約15兆2940億円）前後に達するという。ある業界関係者の指摘によれば、京東は中国トップのB2C（企業・一般消費者間のeコマースのこと）企業だが、阿里巴巴と比較すると、時価総額では引けを取る。これは主に、京東は3C製品（コンピューター、通信、消費電子製品）やIT製品（情報技術製品）といった利益率の低い製品がB2C業務の6割を占めるためだ。だが同関係者は、阿里巴巴傘下の淘宝（タオバオ）がニセ物問題を抱える一方、京東の強みは製品が本物の正規品であること、物流輸送能力が高いことにあるとの見方を示す。（編集KS）

　「人民網日本語版」2014年5月12日