社会各方面の注目を集める国有企業上層部の給与の管理、特に中央企業(中央政府直属の国有企業)の上層部の給与の管理について、近く規範となる制度とシステムがうち出される見込みだ。中央企業の給与改革プランの情報がこのほど伝わると、金融分野の中央企業の給与が改めて社会各界の関心を集めた。業界では、改革が行われれば銀行上層部の給与は下がるとの見方が一般的だ。「証券日報」が伝えた。
銀行関係者は、「現在、中国の金融産業における上層部の給与の情報は基本的に秘密であり、上場企業でも中国証券監督管理委員会(証監会)の要求に応じて年間報告の中で上層部の給与総額と範囲を明らかにするに過ぎない。このほど終了したA株市場の半期報告では、上層部の給与は明らかにされなかったが、給与の引き下げは引き続き5大国有銀行の業績発表会における敏感なテーマだ」と話す。
中国建設銀行の王洪章董事長(会長)は中期業績発表会の席で、「中央企業の管理職と従業員の給与格差を徐々に縮めていき、上方向にスライドさせる必要がある」と述べた。北京銀行の閻氷竹董事長はこのほど公開の場で、「給与は業績と連動するべきで、現在、一部の中央企業は大幅な赤字でありながら、上層部の給与は下がるどころが上がっており、合理的とはいえない。北京銀行は関連政策を断固として執行する」と述べた。
中国農業銀行の張雲頭取は今年の半期報告業績発表会で、「現在、中央政府は確かに関連テーマの研究を進めており、金融機関もその列に加わっている。農業銀行はこのたびの決定を断固として擁護し、100%執行する」と述べた。
国有持ち株金融機関の年度報告をみると、ある時期以降、トップの固定給が100万元(1元は約17円)を超えることが多くなり、500万元を超えるケースもみられるようになった。
データによると、2013年にはA株市場に上場する16銀行が管理職に支給した給与は4億8千万元に上った。国有5大銀行の年度報告では上層部の固定給の情報を公開しており、董事長(会長)の平均年収は103万7300元。このうち2行が補足報告を出しており、中国工商銀行の姜建清董事長の昨年の年収は最終的に199万5600元と確定され、13年5月に就任したばかりの中国銀行の田国立董事長は8カ月で135万8200元の給与を受け取った。