ドイツ人のクリストフ・リハーゲさん(32)は、大学で中国語を勉強し、26歳の誕生日だった2007年11月9日に、北京からドイツの故郷バート・ネンドルフに歩いて向かった。その後、2012年にはドイツでその旅を記録した著書「The Longest Way」を出版した。現在、仕事で再び中国に住んでいるリハーゲさんは、ネット上のスター的存在となり、「微博(ウェイボー)」では、中国のフォロワー16万人がリハーゲさんの一挙一動に注目している。
著作で人気に火
リハーゲさんが有名になったのは、「The Longest Way」がきっかけで、同書は中国でも出版された。リハーゲさんの試算によると、同書は中国で10万冊売れたという。同書のヒットには、中国の新聞なども注目し、リハーゲさんに寄稿を求めるメディアが増加した。リハーゲさんはその後、その寄稿をまとめた著作「中国特色」も出版した。中国人からも、「母語レベル」と絶賛されるリハーゲさんの中国語だが、本人はもっと勉強したいと意欲を燃やしている。
中国の制度の問題を指摘
「中国人は個人の民度が低く、社会ではマナーの悪さが目立つ」と言われるが、リハーゲさんは、「赤信号、みんなで渡れば怖くないと言わんばかりの『中国式道路横断』などの、交通ルールが守られない現象は、個人ではなく『制度』の問題」と指摘。「ドイツの制度は、国民にルール違反の機会を与えない。ドイツのほとんどの運転手がルールを守るのは、個人の民度が高いとか、中国人よりモラルがあるからとかでは決してない。規則が絶対にルールを守らせているだけ」との見方を示している。
また、ドイツ人としてリハーゲさんは、ドイツ人が中国の台頭を恐れていることに理解を示し、「中国人は、ドイツ人が中国に対して抱いているマイナスイメージを『攻撃』と見なすのではなく、『一種の敬意の表れ』と見なすように」としている。
「他の国も冒険したい」
今後の人生計画について、リハーゲさんは、今の自分は「何でもするフリーランサー」で、明確な計画はないとし、「中国に定住するのか?」についても、「中国を仕事や生活の中心にしなければならない時にはそうするよ」と、明言していない。
ただ、今のところリハーゲさんの目は中国ではなく他の国に向けられているようだ。リハーゲさんは、アフリカや南アメリカ、イランなどを冒険したいとしている。もしかすると、最終的にリハーゲさんが中国に戻った時には、彼の著書が再びブームになるかもしれない。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年9月16日