名作でもないアニメが、ここまで巨大な影響力を持つようになるとは、想像しがたいことだ。これは、文化環境と関係があり、人々は、「精神の糧」の質に対して、注意しようという気持ちがない。大人たちが文芸作品を選ぶ際も、慎重さやこだわりに欠けている。これらを背景に、アニメ界だけ高いレベルを求めるのは非現実的だ。しかし、アニメ作品自身には存在価値があり、人の心を癒し、純粋なものを推奨して、視聴者の目の垢を洗い流してくれるという点を忘れてはならない。そのため、アニメに対する要求が高くなるのはもっともなことで、クオリティの低いアニメが氾濫するのは、耐えがたい。
名作と呼ばれるアニメのキャラクターは、「国民的アイドル」であるべきで、子供だけでなく、大人からも愛されなければならない。そのキャラクターの文化的な意味や娯楽的価値は全ての人に合わせたものでなければならない。このような条件を満たすキャラクターでなければ、長期にわたって愛されることはない。
では、どうしたら「国民的アイドル」を生み出せるのだろう?まず、中国にある文化の根本に目を留めなければならない。中国には、無数の古典名作や神話、伝説があり、それらはアニメキャラクターを生み出す「宝庫」と言える。また、質の高い著作権を中心に、映画やドラマ、ゲーム、図書、関連商品などを系統立てて創作し、生産する整った産業チェーンも必要だ。
そのほか、「人材」もアニメ製作の核心だ。新しい物を生み出すことができる人材がなければ、アニメ産業がもたらす利益は全て、運営企業のものとなってしまう。アニメ産業の核心となる原動力を生み出すことこそが、国民的アイドルを生み出すカギだ。 (編集KN)
「人民網日本語版」2014年10月8日