中国の蔡武・文化部長(文化相)の執務室のデスク上には、日本の松山バレエ団から届いた特別な手紙が置かれていた。中国文化報が伝えた。
手紙の内容は、中国の友人の篤い友情に対する感動と感激に満ちたものだった。手紙には、「蔡武閣下、私たちは、極めて重要な記念行事へのご招待をお受けし、参加させて頂きました。そして、『白毛女(抜粋)』を演じることで、中国の皆様方に対する祝福と感謝を表現し、舞台に立つことができた光栄を深く感じました。私たちは、中国の皆様から熱烈な歓迎を受け、非常にきめ細やかなご配慮を頂戴し、数多くの友人と交流するチャンスを得ることができました。ここに、松山バレエ団全団員を代表し、謹んで心からの感謝の意を表します」としたためられていた。
白毛女のストーリーは、中国人の間では非常に良く知られているが、この中国の物語を最初にバレエ化したのが日本の松山バレエ団であるという事実は、ほとんど知られていない。中日関係が非常に緊迫していた1950年代から1960年代にかけて、松山バレエ団は、様々な障害を乗り越え、1958年に初めて中国公演を成功させた。その後、松山バレエ団は十数回にわたり訪中公演を行い、中国の数代の国家指導者と会見する機会を得た。
中国人民対外友好協会創立60周年にあたる今年、松山バレエ団は、60周年記念行事のひとつとして、バレエ「白毛女」を再演した。同バレエ団のダンサーたちは、超絶したバレエ技術、迫真の人物表現、マイムによる精確な感情表現を披露し、観客を巨大な感動の渦に巻き込んだ。公演の最後に、「私たち日本は、いついかなる時でも、中国に対する感謝と謝罪の気持ちを表現することができます」とダンサーたちが口を揃えて大きな声で叫ぶ場面があり、会場とテレビの前で観賞していた中国の人々は心から感動した。
両国関係に不協和をもたらす日本の右翼勢力による様々な行動がこのところ目立っているが、松山バレエ団のように、中日両国の心の絆を絶えず強化するために積極的な行動を続ける友好団体や民間外交の力が、昔と変わらず存在し続けることは、喜ばしい限りだ。彼らは、両国の友好の伝統を受け継ぎ、民間レベルの文化交流を強化し、両国の平和と発展を推進するため、ずっと努力を惜しむことはなかった。松山バレエ団の特殊な「バレエ外交」は、中日文化外交史に、光り輝く1ページを附け加えた。
中日両国国民の心は、バレエのような国境の枠を超えた芸術によって、松山バレエ団の勇気・気力・強い意志によって、極めて強く結び付いている。両国国民の心の絆が、両国間の相互理解と相互信頼を強めるパワーとなることは疑う余地がない。それによって、中日文化交流の新しい架け橋が構築され、中日友好の新しい一章が綴られる。友好的な両国の文化交流によって、両国の善隣友好構築のために新たな活力が注ぎ込まれ、両国の戦略的互恵パートナーシップが、より高く深いレベルに発展するための推進力となるに違いない。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年10月16日