アジア太平洋経済協力会議(APEC)がまもなく北京で開幕するのを前に、中国企業が盛り上がりを見せている。第二弾のAPECスポンサー調印セレモニーがこのほど、北京で開催され、スポンサー企業計18社が出揃った。そして、そのほとんどを中国企業が独占したのだ。中国では、APECが名実ともに「国産品の盛典となる」と称されている。 北京商報が報じた。
APECを機に中国の国産品を世界に
18社には、世界に進出している中国の大企業が顔を揃えている。例えば、一汽轎車や北汽集団、華為などは、いずれも米誌フォーチュンが毎年発表している世界トップ企業500社に名を連ねている。また、華夏銀行や北京銀行は英誌「ザ ・バンカー」が発表する「世界の銀行トップ100」にランク入りしている。スポンサーは資金を提供するほか、交通や通信、食事、服、記念品などの面で協力する。
2013年に習近平主席を中心とする新しい指導体制が発足して以来、中国は新たなやり方、新たなイメージ、新たな成果を追求してきた。中でも国産品の大々的な推進は注目を集めている。例えば、政府関係者が自ら模範を示し、外国を訪問する際には中国ブランドの服を身にまとい、公用車を中国車に切り替えている。それにより、中国国内では、国産品ブームが巻き起こっている。
ある業界関係者は、「政府が率先して国産品を使用することで、模範が示され、中国国産のブランドの発展や国家のイメージ向上において、良い影響が出る。中国企業は、このチャンスをしっかりつかむよう奮闘しなければならない。そして、イノベーションを実行し、国際市場では悪い中国ブランドのイメージやその低い地位の改善に努めなければならない」と指摘している。
国産品の品質確保が必須条件
近年、中国経済が台頭するにつれ、中国の企業がブランド力を構築することの重要性も高まっている。業界関係者は、「政府関係者が国産品を購入するなどして支持していることで、中国企業にとっては発展の大きなチャンスとなっている。しかし、その発展のためには、政府の支持だけでは全く足らず、低い品質や性能を改善することが不可欠」との見方を示している。
自動車業界を例にすると、中国国務院は2009年に、「自動車産業調整・振興計画」を発表し、「各級の政府や公共機構が使用する公用車は、50%以上が国産車でなければならない」と明確に規定している。しかし、品質の問題などが原因で、2010年以前は、購入される公用車のうち、非国産車が占める割合は毎年約90%となっていた。統計によると、今年7月の時点で、中国で販売された乗用車のうち、国産車が占める割合は11カ月連続で減少している。
ブランド中国産業聯盟の王永・秘書長は、「鉄を打つにはまず自分が『堅く』なければならない。中国ブランドは、商品やサービスを強化して消費者の心をつかまなければならず、『同情』だけに頼っていては長続きしない。中国のブランドは、世界のブランドに差を付けられているため、研究開発、イノベーションにおいて奮闘し、商品の質やブランドの影響力を向上させるよう努力しなければならない。努力すれば、消費者の心をつかめると信じなければならない」と指摘している。
北京商業経済学会の賴陽・秘書長は、「今回のAPECは、中国の国産品ブランドにとっては発展のチャンス。商品の知名度を上げ、国内外の市場を開拓する機会となる。各企業は、前もって生産能力を拡大すると同時に、商品の品質を確保しなければならない。そして、販売ルートを構築し、そのルートを管理し、運送・配送システムも整えなければならない。そのようにしてこそ、『APECスポンサー商品』と名を打って、海外進出するにふさわしい」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年10月28日