周傑倫(ジェイ・チョウ)のプロポーズ相手とされるモデルの昆凌(クン・リン)が、イメージキャラクターを務めるソニーの自撮りカメラ「KW1」を構えると、側にいたソニーの平井一夫最高経営責任者(CEO)兼社長とソニー中国法人の栗田伸樹董事長(会長)兼総裁はすぐさま示し合わせたようにレンズの中に入り込んだ。長身の平井CEOは身をかがめ、栗田董事長はニコニコしながらピースサインをした。「北京晨報」が伝えた。
日本企業の生真面目な雰囲気に慣れている人からみると、こうした情景は意外なもので、飲み込むのに時間がかかる。だが24日に上海市で行われたソニー魅力賞というイベントでは、ソニーが外部に伝えようとしている「未来」に焦点が当てられた。
平井CEOによると、「イノベーション、好奇心、情熱」がポイントで、ソニーはもう一度若い人に楽しみを与える企業になろうと努力しているという。
ソニー魅力賞は公開されたソニーの全ラインの製品を対象にした展示イベントだ。今年も展示エリアの主要な場所はテレビが置かれていたが、販売活動では若い人が興味をもつゲーム製品により多くの時間が充てられた。
プレイステーション4(PS4)はおそらく今の若い中国人に最もよく知られたソニー製品で、24日のイベントで初めて中国での展示会に登場した。ソニー・コンピュータエンタテインメントのアンドリュー・ハウス社長によると、PS4のコンピューターエンターテインメントシステムは昨年の発売から今年8月までに販売台数が1千万台を超え、PS史上最速の記録をうち立てた。また同製品が近い将来中国に進出することをうかがわせたという。
さきに静かに別れを告げたウォークマンブランドは、後継者を見つけた。ソニーは高解析度の音楽プレイヤーの研究開発に再び取り組んでおり、今年度の中国での音楽プレイヤーの売上増加率が40%に上昇すると見込む。
郷にいれば郷に従えで、ソニーは香水瓶の形をし、スワロフスキーのクリスタルでデコレーションされた携帯電話を発売した。自撮り機能と「美顔」機能に優れた製品だという。
栗田董事長は、「中国は今や米国、日本と並ぶソニーの世界三大市場の一つ。ソニー中国法人の14年度の二大戦略は、ハイエンド製品によってブランドイメージを高めることと若者向けの製品戦略と市場戦略を実施することだ」と話す。
だが、ソニーで最も「青春の香り」がする製品ラインのPSにしても、すでに誕生から20年を迎えている。さまざまな商品がひしめく「ソーシャル、モバイル、ヤング化」の科学技術製品の中で頭一つ抜きんでるため、ソニーは2度目の青春の道を歩もうとし始めたところだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年10月28日