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新疆の文化財の修復保存にかけた日本人 小島康誉氏

人民網日本語版 2014年12月08日09:31

シルクロードがここのところ、国内外で話題となっている。中国の新たな戦略構想「一ベルト一ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)による影響もあるが、国連教育科学文化機関(UNESCO)によってシルクロードが世界遺産に認定されたことも大きな要因の一つである。キジル石窟(キジル千仏洞)は遺産登録されたシルクロード遺産33カ所の一つだが、この石窟の修復と保存が日本人の努力と貢献に支えられていることを知る人は少ない。その日本人の代表と言えるのが小島康誉氏である。30年余りにわたって中国事業を展開する小島氏は、「人民日報」によって「現代の阿倍仲麻呂」と称されている。中国網が伝えた。

小島氏は1942年名古屋市生まれ。24歳で宝石会社を興し、161店を展開する上場企業に成長させ、日本第三の大宝石商となる。1982年、宝石ビジネスのために初めて新疆を訪問。現地少数民族の文化にひかれ、1986年にキジル石窟を訪れると、その修復と保存の必要性を痛感。すぐに10万元を寄付し、1億円の資金集めを約束した。小島氏の新疆の文化財保護事業はこうして始まった。

小島氏は帰国後、「日中友好キジル千仏洞修復保存協力会」を発足させ、協力会の専務理事となった。それから30年余り、小島氏のキジル千仏洞に対する関心は決して薄まっていない。

キジル千仏洞は、小島氏の新疆事業の開始にすぎない。1988年から中日共同で始まった尼雅(ニヤ)遺跡学術調査事業では、事業の順調な進行を確保するため、小島氏は自分の財産をほとんど傾け、遺跡調査や報告書出版、出土物保存、国際シンポジウム開催などに2億円余りを投じた。2002年には日本仏教大学ニヤ遺跡学術研究機構が中国側と共同でダンダンウイリク遺跡を調査したが、調査研究と報告書出版に使われた約3000万円のほとんどは小島氏個人が負担した。「西域のモナリザ」と呼ばれる壁画や「五星出東方利中国」の文字の入った漢代の織物などの国宝がこれらの調査によって発見された。

小島氏は「パブリック・ディプロマシー」を積極的に呼びかけ、ひとりひとりがパブリック・ディプロマシーの意識を持たなければならないと多くの場面で訴えてきた。日本での新疆の紹介活動にも熱心で、日本各地で講演もしている。人権などで厳しい質問を受けることもあるが、「貧しい後進国だった中国が急速な経済発展を遂げ、人々が豊かな生活を送れるようになった。これは最大の人権保障と言えないか」などと反論する。このような意見が日本人の口から出れば、その説得力は、公式の対外宣伝をはるかに上回る。世界の友人が海外で発するこうした声は、中国に対する海外の評価を均衡させるものとなる。中国の経済発展と効果的なパブリック・ディプロマシーにより、中国に対して友好的な人々はますます多くなり、一部の反中勢力を押しのけてメインストリームになることだろう。(編集MA)

「人民網日本語版」2014年12月8日

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