日本政府は2014年、金融・財政分野で経済回復に向けた多くの措置を取り、日本経済には繁栄が再来したかに見えた。だが「アベノミクス」は長期的な特効薬とは到底言えない。その各政策は、日本経済に根付いた問題を根本的に解決することがないばかりか、日本経済の不安の種となる副作用をもたらしている。新華網が伝えた。
安倍首相は2014年、「大胆な金融政策」「積極的な財政政策」「経済成長戦略」を柱とした「アベノミクス」を推進し、金融・財政分野に約5兆5千億円を投じ、15年にわたって続いたデフレの脱却と経済回復の推進をはかった。
一連の刺激策で日本経済の一部は確かに勢いを盛り返した。株価はここ数年の最高値を叩き出し、東証日経平均株価は昨年12月8日、1万8千円の大台に乗り、第2次安倍内閣発足時のほぼ2倍となった。大幅な円安で、上場企業を中心とした輸出型大企業の経営は大きく改善し、2014会計年度の企業設備投資は前年比5.5%増となった。鉱工業生産は安定、倒産企業は減少し、雇用情勢も改善して、昨年11月の失業率は17年ぶりの最低水準の3.5%となった。
だが日本の学者の間では、こうした表面的な繁栄は大きな副作用を伴い、日本経済にリスクの種を植え付けるものだとの見方が高まっている。問題としては、実質所得の減少や物価の上升、個人消費支出の低下、輸出の赤字持続、貧富の差の拡大、政府債務の拡大などが挙げられる。
賃金は名目では増加しているが、物価上昇や消費税引き上げなどで、実質購買力は低下している。昨年10月の日本の勤労者世帯の現金収入総額は前年同月比0.5%増となったが、物価上昇や消費税引き上げなどの影響を除いた実質賃金指数は同比2.8%減となり、16カ月連続での減少となった。ほとんどのサラリーマン家庭は、高まる生活の圧力を感じている。就業人口は増えたが、非正規雇用の増加が中心で、収入の安定した正社員は増加していない。