▽路上の軽食を売り出す高学歴者たち
路上で売っているような軽食を高学歴者が売っているというと、社会の関心は俄然(がぜん)高まる。大学に行ってさらに修士号まで取った人が、もっと見栄えのする業界に入らず、「煎餅」(中国風クレープ)を焼いたり「米粉」(ビーフン)をゆでたり「肉挟饃」(中国風ハンバーガー)を売ったりしている。高学歴者らしい売り込み技術や成功の秘けつでもあるのか。
北京環球金融センター西エリアの地下を歩くと、20平米もない小さな一角に「伏牛堂米粉」の看板がかかっている。時折通りかかる人が中を覗いて、「誰も並んでいないのか、閑古鳥だな」などと声をかけると、店主の張天一さんは「いつもこんなもんです。まあゆっくり米粉を作りますよ」などと笑って答える。北京大学法学修士、張さんの別の顔だ。
中国では最近、高学歴者が路上の伝統的な軽食の販売に進出し始めている。煎餅チェーン「黄太吉」は創業2年で有名店となり、煎餅以外への進出をはかっている。肉挟饃のチェーン「西少爺」の創始者のIT企業出身の4人は新たなチェーン作りに奔走していた。
1990年代生まれの張さん。本来なら、環球金融センターの法律事務所にいて、企業上場のために書類を持って急ぎ回っていてもおかしくない。だが今は、地下1階で3人の協力者とともに、毎日150杯の米粉をこしらえる。スープを煮込み、電話を取り、トレイを運び、ゴミを処理する。朝6時に起きて準備し、夜は10時まで働く。
「理想の仕事に就くのは難しいけど、納得できない仕事はしたくない。そう思って起業を選んだ」。張さんには夢がある。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年1月16日