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翻訳家の許氏「大江健三郎は莫言のノーベル賞受賞を予想していた」 (3)

人民網日本語版 2015年02月03日08:56

▽大江健三郎氏との出会い

葉氏は許氏に対し、「日本文学を翻訳・研究するには」について次のように語った。「まずは幅広く、様々な作家の様々な作品を読みあさる。次に深く。共鳴できる作家に出会ったらその作家の作品を掘り下げる。研究を通じて翻訳のレベルを高め、翻訳を通じて研究を促進する」。

1994年、許氏は共鳴できる作家に出会った。ノーベル文学賞受賞者・大江健三郎氏だ。幼いころより魯迅文学の影響を受けた大江氏は、9歳の時に父からの読み聞かせで「孔乙己」を知り、12歳の時、新制中学への進学祝いとして、母より「魯迅選集」を贈られた。1960年には中国を訪れ、毛沢東・周恩来ら当時の指導者の接見を受けた。1984年には胡耀邦氏の招きに応じて再び中国を訪れている。

1999年、東京を訪れた許氏は、大江氏を再び中国に招いた。許氏の誠意に心を動かされた大江氏は、2000年9月に3度目となる中国訪問を行った。当時、大江氏は健在者としてはアジアで唯一のノーベル文学賞受賞者だった。

「4日間にわたる講演とサイン会、莫言氏、鉄凝氏ら中国作家との座談会、過密なスケジュールは大江氏にも大きな負担となっただろう。しかし、大江氏はこちらからの中国旅行の費用を一切受け取らなかっただけでなく、日本側のスポンサーが支払った費用も、宋慶齢基金会に寄付した」。


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