「お客様、パスポートはお持ちでしょうか?」―日本の各店舗ではこの1週間、店員は、日本語ではなく中国語で、このセリフを来店した客に投げかけた。パスポートを持つ外国人客のために免税手続きを行うためだ。25日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙報道を引用して環球時報が伝えた。
各国は、中国人観光客を奪い合うために、ありとあらゆる手を尽くした。カナダ紙トロント・スターの報道によると、英国の各百貨店は、「中国春節(旧正月)中は閉店しない」キャンペーンを打ちだし、ブランドバッグ、腕時計、ジュエリーなどの商品を最大30%値引きした。ハロッズ百貨店では、中国テイスト豊かな「お年玉」袋を出した。高級百貨店セルフリッジズや高級ブランド・バーバリー直営店はいずれも、毛筆で書かれたカードの入った封筒を買い物客に贈呈した。同じく英国のブランドであるヴィヴィアン・ウエストウッドもは、干支の「羊」をモチーフにしたシリーズのペンダントを発売した。
スペイン紙アル・ビラドの報道によると、春節連休を利用してスペインを訪れる中国人観光客に対応するため、スペインのほとんどの観光地に、中国語表示の説明ボードを設けたという。ほとんどの4つ星級以上のホテルでは、中国語のパンフレットを作成し、中華料理を提供した。スペイン最大の百貨店チェーン・エル・コルテ・イングレスのマドリードにあるフラッグシップ店には、大型の広告ボードを掲示、中国人観光客に向けた新年の挨拶を表示した。
フランス国際放送局TV5MONDEによると、スペインは、中国人観光客獲得において、フランスと米国に追いつけ追い越せと、全力を絞ってさまざまなサービスを打ちだした。仏米という2大観光大国は、昨年、それぞれ1億人の中国人観光客を受け入れた。バルセロナ観光局のユゴー氏は25日、環球時報記者に対し、「我々の目標は、中国人観光客数について、2年以内にフランスに追い付くことだ。ハード・ソフトいずれの面でも、中国人観光客に満足してもらえるよう尽力していく」と述べた。