日本の国土交通省がこのほど発表した「地価公示」によると、今年1月1日時点での東京の「公示地価」は、前年比1.9%上昇、2年連続の上昇となった。市街商業地の平均地価が2.9%上昇、最大で14.2%の上昇率となった。住宅地の平均地価は1.9%上昇、最大上昇率は11.2%。東京の地価上昇によって、現地不動産に投資していた基金や投資家は、多くの利益を手にした。経済参考報が報じた。
「公示地価」とは、毎年1月1日時点での全国の標準地(2万3380地点)の取引価格データにもとづく不動産鑑定士約2500人の鑑定評価によって算出され、国土交通省が発表する土地価格。その年の土地取引における指標的な役割を果たすだけではなく、公共建設事業における土地収用や固定資産税計算の際の参考となる。
今回発表された「公示地価」によると、東京23区の地価は軒並み上昇、23区では、千代田区で平均6.4%、中央区で6.3%、港区で6%それぞれ上昇、上昇率は前年を上回った。このうち、中央区銀座4丁目にある山野楽器銀座本店の1平方メートルあたり地価は3380万円と、前年比14.2%上昇した。住宅地で上昇率が最大だった地点は港区南麻布4丁目だったが、地価が最も高かった住宅地は千代田区六番町で、1平方メートルあたり315万円だった。
東京の地価が急上昇したことで、投資家は多くの利益を手中に収めた。森トラスト株式会社は昨年8月、結婚式場、高給ホテル、オフィスビルなどの複合施設「目黒雅叙園」を1300億円で買い取った。同社は今年1月、1400億円あまりの価格で同施設を米不動産投資ファンドに売却、わずか半年間で100億円以上の利益を得た。森トラストから目黒雅叙園を買い取った米不動産投資ファンドは、この取引に満足しており、今後より多くの利益を獲得する自信があるとしている。その理由として、東京を訪れる外国人観光客は増加の一途をたどっており、ホテルの稼働率はますます上昇していることを挙げた。また、オフィス用物件の需要も増加しており、東京の市街地では、オフィス用物件の空室率は、過去6年の最低レベルの5%前後まで下がっている。日本の景気がさらに回復するにつれ、オフィス用物件の需要もどんどん増えていることから、現在のオフィス不動産市場は、完全に「貸手市場」と化している。
日本不動産研究所が発表した調査研究データによると、昨年、東京のマンション1戸あたりの平均販売価格は前年比2.7%上昇、5060万円に達し、バブル経済崩壊後23年ぶりの最高値を記録した。東京湾臨海部の高層マンション価格は特に高騰し、平均6千万円を上回った。