教科書検定の新規則によって教科書の政治的右傾化誘導を固定化するとは、後顧の憂いが絶えない。1982年に当時の鈴木善幸内閣の宮沢喜一官房長官は、日本の教科書問題を適切に処理するため、「近隣国の批判に耳を傾け、政府の責任において是正する」と表明。日本文部科学省も、教科書検定にあたり「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに必要な配慮がされていること」と定めた。「近隣諸国条項」である。日本右翼勢力はこの規定を覆そうと企て続けてきた。昨年1月、安倍内閣は教科書検定の新基準を定め、近現代史を扱う際にいわゆる政府見解に基づく記述を尊重するよう求めた。また「学習指導要領」に基づき、釣魚島を日本「固有の領土」として教科書に記さなければ、検定で不合格となる。
安倍内閣の教科書問題における規則から具体的記述までの全面的な後退は、決して単独の出来事ではなく、危険な傾向であり、国際社会の警戒を招くのは必至だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年4月8日