現在42歳のコフィン氏が設立したゴッサム・コーポレート・グループは、中国人客のニーズにこたえるため、中国語が堪能な18人の社員を擁しており、この数は従業員総数の3分の1を占める。
〇海外不動産に巨額を投じる中国人富裕層
中国人バイヤーの「気前が良く太っ腹」な傾向は、世界中から注目されている。財務分析を専門とする企業の統計データによると、2014年までの6年間で、中国人が世界各地の不動産に投資した総額は390億ドル(約4兆6600億円)に達した。この数字は、2008年はわずか9200万ドル(約110億円)だった。
また、不動産サービス大手の米ジョーンズラングラサール(JLL)が取りまとめたデータによると、2014年、中国による海外不動産投資額は前年比46%増の165億ドル(約2兆円)に達した。2014年上半期だけでも、中国人個人による海外不動産投資額は約50億ドル(約6千億円)と、2011年と2012年の年間規模をはるかに上回った。
不動産サイトの国内最大手・捜房網の統計データによると、中国人富裕層による海外不動産の「爆買い」現象は、5年前から始まっている。上述のコフィン氏のような企業家は、このような中国人客のニーズに対応する全く新しい産業を切り拓いている。彼らが提供するサービスは、ウェブサイト、ブローカー、デベロッパー、弁護士、グローバル企業など、ありとあらゆるものが揃っている。
世界各国の地元デベロッパーは、基本的に、中国市場に対して開放的な立場を示しており、中には、中国人バイヤーを獲得するために、あの手この手を尽くしている企業もある。
関連報道によると、中国人客のために質の高い不動産プロジェクトを確保する以外に、一部の海外デベロッパーは、中国人客に不動産を先行発売し、中国人に選択のためのアドバンテージを与えているという。以前に広州で開催された海外不動産説明会では、オーストラリアのデベロッパーBensons社が開発中のVanguardプロジェクトが、中国人客向けに先行発売された。オーストラリア現地で売り出されたのは、それから3週間後のことだった。