京津冀(北京市、天津市、河北省)一体化は、首都北京を中核とした世界レベルの都市群を打ち立て、イノベーションがその経済成長のエンジン役になる――間もなく発表される「京津冀共同発展計画」ではイノベーションが大きな役割を果たすことが打ち出され、3つの市省の役割分担も明確にされるという。経済参考報が伝えた。
計画によると、2017年までに京津冀のハイテクイノベーションセンターとしての地位が一段と強化され、地域協力によるイノベーション能力とその産業化が大きく上昇。2020年までにハイテク投入量と研究開発支出の地域のGDPに占める割合が3.5%に到達する目標が掲げられている。地域の役割分担を明確にしつつ、産業チェーンやイノベーションチェーンが大きな効果を発揮することが期待されている。
そして最終的な目標は、地域協力によるイノベーション新共同体を構築し、全国ハイテクイノベーション新センターを打ち立てること。例として◇中関村国家自主イノベーションモデル地区を発展させ、新たな管理運営モデルを模索し、産学研を結びつけた京津冀を跨る新園区チェーンを構築することや、◇天津浜海国家自主イノベーションモデル地区を発展させ、重点分野の改革を急ぎ、周辺地区へその範囲を広げていく、などが挙げられる。地域の役割分担については、◇北京エリア:基礎イノベーション・技術サービス能力の向上、技術本部としての役割強化、産業化製品の取引センター・ハイテク人材センターの設置◇天津エリア:応用研究・実用化技術のレベルアップ、産業イノベーションセンター・ハイレベル製造業研究開発基地・中小企業イノベーションモデル地区の構築◇河北エリア:ハイテク産業推進能力の強化、ハイテク実用化センターの設置、産業構造調整・レベルアップ試験区の整備、などに分かれている。
イノベーションの重点分野としては、環境保護、従来型産業のレベルアップ、戦略性新興産業がある。環境保護では大気汚染対策、グリーン交通、クリーンエネルギー、モニタリングシステムなどが対象となる。水質汚染では、水質汚染対策を強化し、湿地帯の生態系保護や修復などがテーマとなる。従来型産業のレベルアップでは、生産技術やエネルギー利用に関する技術力を強化する。戦略性新興産業のPRも強化する。
「チャイナネット」 2015年4月9日