日本は間違いなく母権社会である。ここでは「母親の権利」と「女性の権利」の違いに注意する必要がある。
日本で「女性の権利」があまり尊重されない原因は、「母親の権利」が尊重されすぎて、日本女性が一心に「母親の権利」を追求したからである。大部分の女性にとって社会的地位と家庭内の地位を秤にかけた場合、後者がより魅力的であり、一心に専業主婦になろうとするのである。
日本の女性は「専業主婦」という言葉に対して、何の抵抗感もないのだ。抵抗するどころか、ほとんどの女性はむしろ誇りに思っている。日本社会では、女性が夫に尽くし、子どもの面倒を見るのがすなわち国家に貢献しているという観念があり、仕事においてかなりの実績を成し遂げたとしても、一旦結婚すれば、家族を優先して家庭に入ることを選ぶ女性は少なくない。
なぜこれほど多くの日本女性が専業主婦になることを願うのかは、おおよそ以下の3つの原因から説明できる。
【女性は会社内であまり重要でない仕事を任されがちであり、男性と比べて出世できるチャンスは非常に少ない。】
【基本的に“男性がお金を稼ぎ、女性がそれを使う”のが伝統的な日本家庭のスタイルである。男性は外では自由気ままに振舞うが、家に帰ると妻の顔色を窺わなければならない。】
【男性が正当な理由無く、離婚を要求したならば、経済的に相応の代価を支払う必要がある。「専業主婦」は法律で定義されるとともに、保護されている。】