日本人女性といえば、着物を着て髪を結い、小刻みな足取りで歩いているという優しそうなイメージがまず頭に浮かぶだろう。「アメリカ式の家に住み、日本人の妻を持ち、そして中国人のコックに料理してもらう。これは人生の三大贅沢である」とは、台湾作家の林語堂氏の言葉だ。日本人女性にまつわる話はまさに語っても語り切れないのだ。ここで、その中の幾多の話をまとめてみよう。
中国語には「魅力」(mèilì)という言葉があるが、日本では「魅力」よりも伝奇的な色が強い、「妹力」(mèilì)という言葉がある。「妹力」は、日本語で書くと「妹の力」となる。当然この「妹」は、姉妹の妹を指すのではなく、広範囲な女性を表す。1925年(大正14年)、日本の民俗学の始祖と言われる柳田国男氏は、婦人雑誌「婦人公論」に「妹の力」と題する文章を発表した。「妹力」という2文字はここから人々の思考の中に入り込んだ。
古代の日本人は、女性は男性が持っていない神の力を有していると考えていた。女性が子供を産み、育てることも、女性は男性よりも自然に近い存在、つまり女性は男性よりも神に近い存在だと見られていた。このため、これらの神を祀る女性は神の妻、あるいは神の侍女として神聖化された。自然や神への崇拝から、女性崇拝が生まれ、これによって日本の女性の最も古い職業である巫女が誕生した。