一年に一回はささやかれるとされる「ソニー破産」の噂がまた盛り上がった。ソニーはすぐにこれを否定したが、2014年度の純損失のさらなる拡大はもはや隠しようのない事実となっている。かつてはあんなに光り輝いていた日本企業は近年、それぞれの「ワーテルロー」(ナポレオンの凋落を決定的にした1815年の戦い)を迎えている。多くの日系企業は最後の守りの地である日本本土へと退却している。国際金融報が伝えた。
日本企業の衰退をもたらしたのはなにか。この問題は多くのビジネススクールの教授やマネジメント専門家の研究対象となっている。これらの専門家によると、最大の致命傷となったのは、日本企業が、かつて成功した経営管理のモデルにあまりにも長く頼りすぎたことだったという。
▽ソニーが乗り上げた暗礁
デジタル製品から家電、生活用品、エンタメ、金融まであらゆる分野を網羅したトップ企業として、ソニーブランドは人々に深い印象を刻みつけてきた。かつてのソニーは神話のような輝かしい歴史を生み出し、消費者の高い人気を得ていた。だが製品の品質問題や損失計上、ハッカー攻撃遭遇などが続く今は、「破産」の噂にまといつかれ、かつてのオーラはもはやない。
この過ぎし日の大船が触れてしまった暗礁とはいったい何だったのだろうか。
電化製品だけを扱っていた時代、ソニーはまさに光り輝いていた。だがインターネットとデジタルデバイスのネット接続の時代に入って、ソニーはすでに時代遅れの感さえある。マイクロソフトやインテル、アップルなどの新興企業は、柔軟な管理と組織のモデルでめきめきと頭角を現し、産業ルールの制定者となった。完ぺきを求め、事前に配置するというソニーの思考モデルは、複雑で高速な変わりやすいこのビジネス社会で大きな打撃を受けていた。
「ウォールストリートジャーナル」はかつて、「ソニーの問題の核心は、ソニーが苦手とする新興製品には、ハードウェアからソフトウェア、コンテンツ、サービスまで、様々な技術が必要だということにある。これらの技術部門はソニー内部でそれぞれガードが固く、部門が協力して分野を超えた成果を上げるのは非常に難しい」と分析している。巨大な会社の規模や、複雑でスピード感を欠いた構造も、ソニーの精力と資源とを分散させた。