今年の春節(旧正月、今年は2月19日)連休期間中、大勢の中国人観光客が日本に殺到してトイレの便座を購入したことを受けて、中国の製造業(メードインチャイナ)にはさまざまな思いが去来した。否定できないことは、中国人は徐々に豊かになっているが、中国の製造業はより質の高い生活という人々の要求にしっかり応えられていないことと、日本の製品はよりよい製品をどこまでも追求 し、細かい部分までよくできており、中国人消費者の好みにぴたりと合うということだ。新華網が伝えた。
小型製品の便座は座ると温かく、局部をしっかり洗い、温風で乾かすことまでしてくれる。パジャマにはゴム替え口がついており、ゴムを取り替える時にわざわざ一部を切って後で縫い直したりする必要はない。ペットボトルのラベルには点線が入っていて、取り外す時のための小さな突起が付いていることもあり、分別が楽だ。こうした例は枚挙に暇がない。
日本の製造業に何か神秘的な秘密があるわけではない。カネボウ化粧品渉外部門の中国人社員・安東晴さんは、「メードインジャパンというブランドの理念、技術、やり方を確立するのは推し量れないものがあるわけではなく、極めてシンプルなことだ。常に消費者の立場に立つこと、着実に実地調査を行うこと、孤独な研究・研鑽に耐え抜くことなのだ」と話す。
以前に日本の製造工場をいろいろ見学した際、日本人労働者の真面目で細やかな「匠の心」に深い印象を受けた。少しでも傷のある商品は絶対にラインから下ろして販売に回さないのだ。日本の一般的な就学前教育と学校教育では、子ども達に研ぎ澄まされた技術への関心を育むことが重視されている。
一流の技術を備えたブルーカラー労働者の社会的地位が高いことが日本の製造業の強さの理由の一つだ。日本ではブルーカラーの所得がホワイトカラーを上回ることさえあり、技術専門学校の卒業生は就職率が98%を超え、大学卒業生をはるかに上回る。こうしたことがブルーカラー労働者の絶えず研鑽を積もうとする意欲の源になる。伝統的な手工芸技術を備えた無形文化財の伝承者は社会から尊重されるということもある。