大連理工大学が発表した情報によると、同校の伍会健氏が率いる研究チームは乳がん細胞の転移を抑制するメカニズムを発見し、乳がんの治療に重要な理論的根拠を提供した。関連する研究結果は、ネイチャーの姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」などに掲載された。中国科学報が伝えた。
乳がんによる死亡例の多くは、乳がん細胞の侵食や転移が死因となっている。上皮間充織転換は、がん転移の初期段階で最も重要な過程であり、SNAI1は、上皮間充織転換の重要な誘導因子だ。同チームは、細胞運命決定因子DACH1がSNAI1と結合し、後者の活性を抑えることを発見した。これによりSNAI1が誘導する上皮間充織転換を抑制し、乳がん細胞の侵食・転移の働きを抑えることができる。
同チームは乳がん細胞転移メカニズムを解明したほか、乳がん細胞の増殖を抑えるFOXK2タンパク質を発見した。エストロゲン受容体αには乳がん細胞の成長と生存を促す力があり、乳がん治療の重要な標的の一つになっている。FOXK2はエストロゲン受容体αと結びつき、その劣化を促し、乳がん細胞の増殖を抑えることができる。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年4月16日