昨年、日本で放映されたNHKのドキュメンタリー企画、「無縁社会」は、「社縁、血縁、地縁」を失った人々を取り上げ、これらの人々の孤立した状態を記録した。このような「無縁」の烙印を押された日本人はたとえ死んでも誰にも気づいてもらえない状況にある。
この後、ドキュメンタリーと同名の書籍「無縁社会」の中国語版が上海訳文出版社から出版された。これも、学者たちに、「関係がない人とは関わりを持たない」という社会の病に対する深い思考を啓発した。同様に、「シングルトン」でも言及されているように、高い家賃を払う代わりに、両親の元を離れ、大学生活の自由やプライバシーを手に入れる若者たちも増えている。また、結婚が幸せと安定を得る唯一の手段であるとは2度と信じない人々もいる。ますます多くの高齢者が1人暮らしを望み、子供と共同生活をすることを望まなくなってきている。注目すべきは、そのうち創業やより良い仕事環境を手に入れるために、1人暮らしを選択する独身者が少なくないことだ。
ある評論家は、「1人暮らしは、人々に自分自身や社会との関係の理解を改めさせるとともに、経済の発展に影響を与え、さらには人類の成長や青年の老化の仕方まで変えてしまった」という見方を示している。また、エリック・クライネンバーグ教授も著書の中で、「メディアがどこにでもある状態で、人と人とが高度に緊密につながっている社会では、1人で暮らす生活は恐らくより多くの人に自分自身や、家族やパートナーに寄り添った生活スタイルを享受することを理解させることになる」と指摘している。
(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年4月16日