近年観光客の必須アイテムとなった「自撮り棒」は、実は30年前にすでに日本で生まれていた。元ミノルタ(現・コニカミノルタ)のカメラマン、上田宏氏は、「1980年代に自撮り棒の特許を出願していた」と語った。国際在線が伝えた。
自撮り棒を発明した動機について上田氏は、「当時妻と欧州旅行した際、2人で記念写真を撮りたいと思ったが、誰もシャッターを押してくれなかった。パリのルーブル美術館で写真を撮る際には、カメラのシャッターを押してくれると言った子供がそのままカメラを持ち去ってしまった」と説明した。このため、上田氏は思案の末に、三脚に伸縮可能な棒をねじで固定して取り付ける自撮り棒を発明した。
上田氏は、「『エキステンダー』(当時の商品名)は、当時新しく開発されたばかりの小型カメラ向けにデザインしたもので、カメラの前面に鏡を設けて、撮影時に撮影者が自分の表情などを確認できるようにした」と語る。上田さんは、1983年に「エキステンダー」の特許を出願したが、注目されることはなかった。主な要因は、撮影した写真の質があまりにも悪かったからだという。