〇エネルギー大省のGDP成長率落ち込む 最低は山西省
「石炭単一産業」への依存が続く山西省は、今年も昨年の減速傾向を引きずった。今年第1四半期、山西省のGDP成長率は2.5%と全国最低、前年同期比3ポイント低下した。
中国民生銀行の温彬・首席研究員は、「山西のGDP成長率が大きく落ち込んだのは、産業構造があまりにも単一的であることによる。また、住宅不動産とインフラに対する投資が減少したことも、GDP成長率の低下につながった。同省の経済が、短期間で回復することは難しいであろう。低迷している問題の根本原因について、長い時間をかけて向き合う必要がある」と指摘した。
今年も山西省は「石炭単一産業」を政府活動報告に組み入れており、報告には1章を割いて、「石炭革命」と産業構造の合理化・アップグレードに向けた構想を打ち出した。
山西のほか、新疆ウイグル自治区や陝西省のような「エネルギー・資源型」大省も、経済成長の減速・疲弊という窮状に直面している。24省のうち、GDP成長率の伸び幅が最低だったのは新疆ウイグル自治区で、GDP成長率は6.9%、前年同期比3.3ポイント下落。2014年と2013年の同時期、これらの数値はいずれも2ケタ台を保っていた。また、陝西省のGDP成長率は6.9%、前年同期比2.6ポイント下落した。
陝西省統計局によると、石油価格が低位で推移しているため、石油生産は、「価格・生産量のダブル下落」という二重パンチを受け、この状況が全省の経済にかなり大きなダメージをもたらした。
対外経済貿易大学の李長安教授は、「国際大口商品価格が下落したことは、資源が集中する省に深刻な影響を及ぼしている。このため、経済発展のモデルチェンジを断行する必要がある。もはや単一産業に依存し続けることは不可能だ。特に、国際市場の影響を受ける大産業への依存は禁物だ。産業の多元化、資源への依存からの脱却、伝統産業のアップグレード・モデルチェンジこそが、未来の繁栄につながる正しい方向といえる」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年4月24日