Chai氏は、ウェブサイト構築の経緯について次のように話した。
今回の件を知った後、自ら童増氏に連絡を取り、これほど多くの大切な手紙が、万が一火災などで消失したら一体どうするのかと彼に注意を促した。手紙のままではファイリングや検索が難しいため、複製本を作る、あるいはスキャンを取って、ウェブサイトを立ち上げてそれらの資料を保存する方法のほうが良かった。そうすれば、オリジナルも保存できて、広く人々に伝えることもできるし、良からぬことを考える人に流用されるのを防ぐことができる。
今年はちょうど抗日戦争勝利70周年にあたる。今回のウェブサイト公開によって、旧日本軍による中国侵略戦争の真相に対する米国民の理解がより深まるであろう。時間やマンパワーに限りがあるため、1万通以上の手紙の中から代表的な500通を選んで英語訳を進め、手紙の内容についてはすべて印刷し、原文のスキャンも添えた。このサイトの閲読言語は、中国語繁体字・中国語簡体字・英語の3種類から選べるようになっている。
今後、資金面と時間面に余裕ができれば、全ての手紙を英語に訳すだけではなく、日本人が歴史の真相を知るチャンスとなるよう、日本語にも訳すことを計画している。
オールド・サンフランシスコ世界抗日戦争事実保護聯合会の前会長を務めた張培氏は、次の通りコメントした。
童増氏がノーベル平和賞候補になれば、表面的には彼個人の事かもしれないが、実は中華民族全体に関わる大事となる。我々は、不撓不屈の精神でナチスの残虐行為を告発したユダヤ人に学ばねばならない。1986年、全ユダヤ人の支持と呼びかけによって、自らのホロコースト体験を描いたエリ・ヴィーゼルの小説「夜」がノーベル平和賞を受賞した。あの時、世界中がナチスの暴行を厳しく非難し、ユダヤ人が受けた苦難に同情した。
童増氏の「正義はたびたび遅刻するが、授業を受けずに済むわけにはいかない」という言葉には、大変重みがある。ノーベル平和賞を選考する機関であるノルウェー・ノーベル委員会がこのサイトを訪れ、中国人が当時受けた苦難について知るよう望んでいる。これは、我々が世界平和の実現に向けて行うべき国際的な義務であると同時に、日本が歴史を正視するチャンスを提供している。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年4月27日
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