中国と米国の関係を語る時、米国の漫画家が最も好む表現の仕方は、でっぷり太った中国の債権者(時には中国を代表するパンダ)が意気揚々とドアを叩き、ドアの向こうにはうらぶれた債務者のアンクル・トムが平身低頭した様子で控えているという図だ。言外に意味するところは、米国は世界の中で胸を張って威張っているが、中国の前ではぺこぺこしているということだ。なぜなら、中国が米国にとって最大の債権者だからだ。
米国の漫画家はワシントン(中央政府)をからかって楽しんでいるが、実際には多くの場合、多くの国では金を貸した方が偉いものだ。過去6年あまり、中国はずっと米国に気前よく金を貸してきたし、大きなリスクも引き受けてきた。だが注意が必要な重大なシグナルは、今年2月に日本が中国を抜いて米国にとって最大の債権者になったこと、中国が6カ月連続で米国債を売却したことだ。
米財務省がまとめたデータによると、中国の現在の米国債保有残高は1兆2237億ドル(1ドルは約119.5円)で、過去1年間に492億ドル減少したということだ。一方、過去1年間に日本は136億ドルを買い増しして、現在の保有残高は1兆2244億ドルとなり、中国に代わって最大の債権者になった。
一部の米国人は、「日本はなんといっても米国の同盟国だ。日本が国債を買ってくれるなら安心だ」と喜ぶが、実際にはこれは中国にとってよいことなのだ。つまり、中国が米国債に代わるもっとよい方法を探し当てつつあるということを意味するからだ。
ここで中国の外貨準備に関するいくつかの不当な批判を整理しておきたい。
たとえば、インターネットでは常に誰かが中国を攻撃している。中国政府はかねてより米国債の購入を続け、これは「家来に与えるよりも、友好国に与えた方がいい」ということだ。米国債は利回りが低く、低利回りで米国人に金を貸すより、その分の米ドルを国内に持ち帰る方がよい。中国人みんなで分ければ、一人あたり数千ドルの割当になるというのだ。