徐氏によると、奇翼竜はジュラ紀中期に生息した、スカンソリオプテリクスの一種だ。奇翼竜の最も変わった構造は、腕にある棒の形をした骨だ。このような構造が別の恐竜から見つかったことはないが、コウモリ、翼竜、ムササビといった空をとぶ飛行動物の、腕、肘、くるぶし付近に見つかったことがある。研究者が比較・対照したところ、奇翼竜の腕の棒状の構造が、日本のムササビの構造に似ていることを突き止めた。これらの動物にある棒状の構造は飛膜を支え、飛行や滑空に用いられている。
しかし奇翼竜が生息していた年代において、奇翼竜は高い競争力を持つ飛行者ではなかった。その空中での生活は木と木の間の短距離飛行、もしくは高い所から地上への滑空に限られていたようだ。研究者は、奇翼竜は滑空を中心とし、時に羽ばたきしていたと推測している。
奇翼竜の発見は、飛膜の収斂進化に絶好の実証をもたらした。これは恐竜の形状の差、鳥類の飛行の起源の研究に対して、重要な意義を持つ。鄭氏は、「奇翼竜は鳥類の飛行の進化の過程における先駆けだ。奇翼竜は我々に対して、飛行の進化の早期には革新的な試みが満ちていたが、多くの支流が進化の袋小路に陥り、現在まで飛行をとどめているのは鳥類のみであることを教えてくれる」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年4月30日