商務部は5日、「中国対外貿易情勢報告(2015年春季)」を公表した。これによると、中国の対外貿易の発展は今後しばらく、外部需要の不振や従来の競争力の低下、外部の制限措置の増加などの様々な試練に直面することになる。また国際市場のシェアはすでに高い水準にあり、シェアを高める難度は増しており、中国の対外貿易は中低速度の成長を保つものと見られる。さらに市場の需要の変化や為替レートの上下などの短期的な要素の影響を受けやすく、変動はさらに増し、幅も大きくなる見込みだ。だが中国の対外貿易の発展にはまだ、有利な要素と条件があることにも注目すべきだ。経済日報が伝えた。
報告によると、中国の対外貿易には現在、4つの有利な要素と条件がある。
第一に、産業の土台が固まっている。中国は、世界最大の製造業大国であり、輸出産業チェーンとインフラが整っている。近年は、設備製造業やハイテク産業が急速に発展しており、資本材や中間材の輸出がこれから繁栄期を迎えるものと見られる。
第二に、対外投資協力が貿易への牽引的役割が高まっている。中国の対外投資強協力は急速発展期に入り、国際的な生産力面での協力も始まっており、大型の総合設備や部品、建設物資などの輸出が促されると見られる。
第三に、企業の転換とアップグレードの歩みが速まっている。国境を越えた電子商取引や対外貿易総合サービス企業、市場調達貿易などの新型の貿易方式によって中小企業の輸出の敷居が下がっていることで、中国の製造業大国としての強みがより生かされ、輸出の重要な成長分野となることが期待される。
第四に、対外貿易の発展を支援する国の政策が強化されている。
報告は同時に、中国の対外貿易とりわけ輸出は今年、成長の土台となる条件を備えているものの、状況の深刻さや複雑さは根本的には変わっておらず、これは次のいくつかの点に反映されているとしている。