韓国家庭医学会のアルコール摂取研究グループは4月、「韓国人の適切な飲酒量ガイドライン」を発表。一般成人男性の韓国焼酎の適切な飲酒量は、週にボトル2本以下とした。また韓国の保健福祉部は同月、24歳以下の芸能人やスポーツ選手を酒の広告に出演させないようにする健康増進法の改正案を議決した。文匯報が報じた。
これらの対策が講じられているのは韓国人があまりにも「お酒好き」だからだ。韓国メディアが発表した統計によると、2014年、成人の60.8%が1カ月に1度以上お酒を飲んでいた。08年の同割合は54.1%だった。市場調査会社「ユーロモニター」の14年の統計によると、飲酒できる年齢の韓国人は1週間当たり平均13.7杯の強いお酒を飲んでいる。同数字はアジア1位で、強いお酒が好きなことで知られるロシア人(6.3杯)の2倍以上という驚異的な数字だ。世界保健機構(WHO)の報告でも、韓国人の平均飲酒量は1人当たり12.3リットルと、アジア1位だ。
韓国人は、飲酒量が多いため、韓国の企業では「ノミニケーション」文化が構築され、ほとんどの企業が1カ月に1度以上、飲み会を企画している。毎週企画している企業もある。飲み会では、同僚と食事をしながら、さまざまな種類のお酒を飲む。
韓国で働いている外国人も、「外国人」という理由で飲み会を断ることはできない。韓国の米国系企業で働いているある韓国系米国人は、「初めて韓国に来た時は驚いた。ある飲み会では、ビールのジョッキにアルコール度約20度の韓国焼酎を入れ、一気に飲んでいた。しかもこれは始まりに過ぎなかった」と目を丸める。
韓国人にとって、「ノミニケーション」は、相手を知る良い機会。ソウルの韓国企業で働いているある韓国系カナダ人は、「初め、韓国のお酒の習慣についていけなかった。私が飲みたくない時に、なぜ飲ませようとするのかと感じた。しかし、お酒の席の背後にある文化的な意味を知ってからは、韓国のお酒文化が理解できるようになった。お酒の席では、仕事中や昼食時にはしゃべれないことも、語れる。韓国人とお酒を飲むようになるまで、韓国人は冷たく、遠い存在だった。でも、その文化、特にお酒文化を知ってからは、気持ちを表現するための方法の1つに過ぎないことが分かった。その点、西洋人とは異なる」と話す。