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日本の家族経営企業はいかに「富は3代続かず」を逃れてきたか (3)

中国メディアが見る日本

人民網日本語版 2015年05月27日09:53

東近江市五箇庄町に残る近江商人の屋敷街

実際に近江商人の経営思考を理解すると、明、清時代に中国で隆盛を誇った山西商人に非常に近いものを感じる。塚本社長は、「近江商人の『三方よし』という経営理念は、客と経営パートナーと社会の要素を強調したもので、実際企業自身の発展や利益の獲得にまぎれもなく役に立っている」と考えているという。よく考えてみると、その理由は非常に簡単だ。「お金を儲けた後、社会にフィードバックして郷里に恩を返すという考え方を持つ企業の経営者は少なくない。しかし、これだけでは不十分だ。三方が共に利益を得るという方法は、初めから同時に体現されなければならない。例えば、自分の家の門の前を掃除する際に、ほうきを外に向けて、ゴミや塵を自分の家以外に向けて掃くというのも一つのやり方だ。ほうきを内に向けてゴミや塵をかき集めて自分で処理するというのも一つのやり方だ。みんなが共同で異なる方法を採れば、結果は大いに異なる」と説明する。

近江商人の家族経営企業の「老舗」の伝承を支えてきたのは、もう一つ非常に独特な「別家制度」にある。簡単にいうと、家族経営企業を支えてきた外から来た優れた奉公人が財産と名前をもらって独立する制度だが、独立後も本家との主従関係は維持される。これらの別家をかまえた中堅奉公人や上級奉公人は定期的に企業の重要事項を決める際の協議の場に呼ばれる。さらには、別家の中でも特に優秀な者は家族経営企業の本家に婿入りし、後世の祭祀を受けるものまでいた。

しかし、現代の産業モデルや経営の潮流の影響の下、家族経営企業が日増しに打撃を受けつつあるのは避けられないことだ。日本であっても、家族経営の老舗企業を維持することは決してたやすいことではない。(編集MZ)

「人民網日本語版」2015年5月27日            


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