4日にドイツ・ボンで開催された国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の第39回世界遺産委員会で、世界遺産委員会メンバーの満場一致により、湖南永順老司城遺跡、湖北恩施唐崖土司城遺跡、貴州遵義海竜屯土司遺跡の「土司」遺跡群が、「世界遺産リスト」に登録されることが決定した。これにより、中国の世界遺産は計48カ所に達し、引き続き世界2位の座を保つ。
土司制度とは?
中国社会科学院考古研究所の所長を務める、中国考古学会の王巍・理事長によると、土司制度とは、元代(1271-1368年)以降、中国の中央王朝が、北西や南西の境界に接する諸民族を統治する方法で、現地の官僚が先祖伝来の所領において世襲でポストに着くことを認める制度だ。各地は中央王朝に貢物を納め、その権威を認めれば、自分達の軍隊や統治をそのまま残すことができた。
中国社会科学院の学部委員、歴史学部の主任を務める劉慶柱氏は、「明から清にかけては、科挙官僚である流官を派遣して統治する地域に改める『改土帰流』策もとられた。土司制度は、他民族を抱える中国の統一を図る重要な制度」と説明している。>>>