世界遺産登録で現地に何がもたらす?
西南部の山岳地帯で生活するトゥチャ族・ミャオ族・コーラオ族の人々にとっては、「土司遺跡」が世界遺産リストに入ったことは、未曽有の文化的大事件であったに違いない。同時に、千百年もの間連綿と続いてきた、「政治を整えて教えを修める、社会風俗にもとづき統治する」という管理コンセプトが凝縮された土司制度・土司文化も、世界に向けて神秘のベールを開くこととなった。文化を伝承し、遺産を護る中国の努力が、今再び世界から認められた。
土司遺跡の多くは、地上にあるため、保護を実施しなければ、都市発展が進むにつれ、存在が脅かされるようになる。幸いなことに、登録決定というニュースが伝わると、各地は喜びと同時に、保護責任に対する新たな自覚と責任の重みについて表明した。
文化保護の新たなスタートラインに
「世界文化・遺産保護公約」第4条では、「文化及び自然遺産の認定、保護、保存、展示、次世代への伝承は、各国に課された責任である」と明確に示されている。この意味では、「世界遺産」という称号には、より多くの責任がともなう。登録決定は決してゴールではなく、保護責任を履行する新たなスタートラインなのだ。
文化が伝承される過程で、保護と開発は、永久不変の課題である。文化遺産は複製してはならず、再生もできない。世界遺産に決定する、しないにかかわらず、保護は最優先事項に据えられるべきだ。しっかりと保護することで初めて、文化遺産の持続可能な利用が実現し、今生きる人々や子子孫孫に幸せがもたらされる。>>>
(編集SC)
「人民網日本語版」2015年7月7日