第3に、米国の地域戦略に積極的に歩調を合わせる。米国の「アジア太平洋リバランス」戦略で、中国はライバルと見なされている。米側は中国の台頭を「強く注視」し、日本は防衛白書で中国の「軍事的脅威」を誇張している。米国は南中国海での哨戒を強化し、哨戒機は中国の南中国海の島・礁を故意に飛び越えた。米軍高官は哨戒範囲を南中国海まで拡大するよう日本をそそのかし、装備、訓練、作戦面でフィリピンなどを支援するよう日本を後押しした。白書が南中国海について大いに語る背後の目的は、恐らくさらに踏み込んだ係争介入への地ならしだ。
また、今回の防衛白書発表の時期は安倍政権による新安保法の衆院強行可決と重なった。問題視し、反対する国民の声を前に、中国など周辺国の「脅威」によって国民の注意をそらすことで、与党の直面する圧力を軽減し、さらには下落し続ける内閣支持率を救うことができる。
2015年版防衛白書は、日本の直面する安全保障上の試練を詳述したと言うより、安倍政権による「国の軍事的正常化」との目標実現の助力と言った方がよい。日本側の事実と異なる非難に中国は反対する。日本のこの行動は地域の平和と安全に無益であり、中日関係の大局も損なう。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年7月22日