人民元為替レート改革の始動から、昨日でちょうど10年が経過した。2005年7月21日、人民銀行は人民元為替レート制度の改革を宣言、市場を基礎とし、通貨バスケット制を導入し、管理フロート制(管理変動相場制)へ移行することとした。人民網が伝えた。
この措置によって、人民元レートの市場化への道が開かれた。2014年12月の時点で、対ドル人民元レートは40.51%上昇、実効為替レートは51.04%上昇した。改革から10年、人民元レートは、上昇の一途を辿った後、変動ゾーンに入った。
上海交通大学上海高級金融学院副院長を務める、金融学が専門の朱寧教授は、「為替レート改革は、重要な価格システムとして、中国の市場化プロセスを大幅に推し進め、人民元の国際的地位を高めた。多くの国が人民元を準備通貨としたことで、中国は、新興市場におけるリーダー的地位を確立した」と指摘した。
国際通貨基金(IMF)は今年5月、「人民元はもはや過小評価されていない」と明確に示した。また、人民元がIMFのSDR(国際準備資産)に採用される準備は着々と進んでいる。複雑極まりない国内外の金融環境のもと、中国は、為替レート改革の道を今後どのように進んでいくのだろうか?
〇「合理的バランス」に近づく為替レート水準
1994年1月1日、人民元の為替レートと外貨調整の価格が一本化され、中国では、市場の需給をベースとした、単一の、管理フロート制の為替制度がスタートした。その後、2005年から2015年までの10年間で、人民銀行は2度の為替レート構造改革と、3回のレート変動区間の拡大を実施した。
直近の調整は2014年3月17日に行われた。人民銀行は、銀行間直物為替市場の対ドル人民元取引価格の変動幅を、1%から2%に拡大した。この調整のあと、人民元レートは上昇一辺倒から双方向変動にシフト、弾力性が著しく高まり、変動幅(6.0-6.4)の激しい運行局面が形成された。