日本の長崎市は9日午前、原爆投下70年の式典を営み、犠牲者に黙祷を捧げた。田上富久市長と市民の代表は演説で、国会で審議中の安保法案への懸念を相次いで表明した。安倍晋三首相も式典に参列し、挨拶したが、民衆からは安倍首相への憤りと不満を表明する声が挙がった。一部民衆は長崎市でデモ行進も行い、安倍首相の退陣と安保法案の撤回を求めた。
田上市長は「平和宣言」で、現在国会で安保法案が審議されており、日本の誓いや日本国憲法の平和の理念が今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっていると指摘。国民の不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯な審議を行うよう求めた。田上市長の平和宣言は熱い拍手で迎えられた。
田上市長は平和宣言で、若者を含む日本国民は広島や長崎の被爆体験だけでなく「日本が発動してアジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはならない」と呼びかけた。
被爆者代表の谷口稜曄さんも安保法案を批判。「政府が集団的自衛権の行使容認を強行し、憲法改正を推し進めるのは、日本を戦争の時代に引き戻そうとするものだ。戦争を引き起こす恐れのある安保法案は平和を愛する人々の願いに根本的に背いている」と表明した。
鶴文乃さん(74)は人民日報の取材に「私は被爆者だが、当時日本が原爆を投下された根本的原因はアジア各国に対する日本の侵略と植民地支配だ。戦後、平和憲法を制定したからこそ、多くの日本国民は安定した生活を送ることができた。安倍政権は現在国会で安保法案の可決を強行し、憲法第9条を破壊しようとしており、大変懸念される」と指摘。「安倍首相は過去の侵略と植民地支配の歴史を直視し、アジア各国の人々に真摯におわびし、憲法第9条をしっかりと守り、永遠の不戦を誓うべきだ。そうして初めて日本はアジア各国の人々と友好的につきあうことができる」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年8月10日