第48回東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が4日、マレーシア・クアラルンプールで開幕した。今後数日間にわたり、中国プラスASEAN(10+1)外相会議、ASEANプラス中日韓(10+3)外相会議、東アジアサミット(EAS)参加国外相会議、ASEAN地域フォーラム外相会議などが相次いで開催される。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
各国の職責は、一連の外相会議において、地域一体化の建設および協力・発展に焦点を当てて議論することだ。だが、一部の国はよからぬ考えを抱き、情勢を撹乱しようとたくらみ、いつまでも南中国海問題にばかり拘っている。日本の岸田文雄外相は数日前の記者会見で、南中国海の「法の支配」、「航行の自由」は尊重されなければならないと指摘、ASEANの会議で引き続きこれに関する議論が行われるのではないかと述べた。米国務省の報道官は、会議では重要な安全問題について議論する必要があり、出席を予定している米ケリー国務長官が南中国海に関する発言をすることになると述べた。フィリピンの外相にいたっては、同国が南中国海問題で米国の立場を支持し、中国に島嶼建設を停止するよう求めると表明した。
域外国家や、領有権を主張する一部の国々が、ASEAN外相会議の開催時期をねらって南中国海問題について大げさに騒ぎ立てるのは、これが初めてではない。昨年のASEAN会議前にも、フィリピンが中国に対し「南中国海の緊張を高める行動の凍結」を求め、米国からの大きな支持を受けた。フィリピンはさらに、中国の正当な島嶼建設に圧力をかけるよう各国をそそのかした。
昨年の米国・フィリピンの撹乱に対するASEANの反応は冷ややかなものだった。しかし、冷淡なだけでは不十分だったようだ。彼らは昨年の経験に全く懲りておらず、「撹乱症候群」も治っていない。今年の外相会議が始まると、これらの国は再び同じ事を繰り返し始めた。
当然ながら、中国はこの現象に気づいており、すでに警鐘を鳴らしている。中国の王毅外交部長(外相)は、ASEANの一連の外相会議に出席する前に、シンガポールを訪れた。王部長は訪問期間中、南中国海の重要問題に関して厳正な立場を表明し、中国は南中国海問題で「5つの堅持」を遂行すると指摘した。これは、南中国海の平和・安定維持の堅持、交渉と協議を通じた争いの平和的解決の堅持、規則と制度を通じた溝のしっかりとした管理・コントロールの堅持、南中国海の航行と上空飛行の自由の維持の堅持、協力を通じた互恵・ウィンウィンを堅持するというものだ。