骨董収集の世界では、コレクターの目利きが良く、良品が多ければ、その品目が主流であってもなくても市場の一角を占めることができるものだ。ますます人気を集めている「里帰り品」のコレクションは、そのことを証明している。楚天都市報が伝えた。
「里帰り品」とは何か?厳密に言えば、「里帰り品」とはかつて海外に流出し、再び国内に戻ってきた中国の骨董品を指す。近頃この言葉の意味は徐々に拡大され、海外から中国に入った全ての骨董品を指すようになっている。武漢市の骨董品市場・徐東古玩城で「ドイツからの里帰り品」を取り扱う閻雪駿さんも里帰り品に魅せられた一人だ。
▽文化の融合を体現
日本滞在歴が20年に上り、「日本からの里帰り品」のコレクター・曾支農さんは、徐東古玩城で実地調査を行い、ここに興味を持ったという。
曾さんのコレクションのうち、最も多いのが日本の鉄瓶だ。鉄瓶はかつて日本全国に広く普及した、茶道で欠かせない器具だ。精巧に作られた鉄瓶は日本の伝統技術と審美観を留めているだけでなく、文化融合の痕跡も見られる。日本の茶道は盛唐時代に日本に伝わった。当時の中国では鉄瓶で湯を沸かし、茶を飲んでいたのだ。現在の鉄瓶を鑑賞するとき、曾さんはタイムワープしたような感覚を味わうという。