中国外交部(外務省)報道官は24日、フィリピンが国際仲裁手続きを一方的に推し進めている問題について再び発言した。フィリピンの求めに応じて設置された南中国海仲裁裁判所は先月、フィリピンの提起したいわゆる南中国海仲裁の管轄権問題を審理する口頭弁論を行い、このほど記録を公表した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
形式から見ると、フィリピンは口頭弁論を非常に重視していた。フィリピン側はデルロサリオ外相をトップに、司法相、国防秘書官など政府高官および米国、英国から招請した弁護団という「豪華」な陣容の代表団を出動した。
内容から見ると、フィリピンは明らかに準備をしていた。国連海洋法条約に基づき設けられた仲裁裁判所で、フィリピンは常に「条約」を口にした。フィリピン外相は「条約」に40回余り言及。表面上フィリピンは自国が国際法を「遵守」していることを示し、「プラスのイメージ」を確立しようとしていた。だがさらに深いレベルにあるのは、南中国海における中国の主権権益の否定を企てる腹黒い魂胆だ。フィリピンは「法の不遡及」の原則を顧みず、中国の「歴史的権益」に「条約」を適用することで、「九段線」を非難しようとした。フィリピンは概念をすり替えて、国際法を尊重する中国の立場を、中国に仲裁の受け入れを求める理由にした。フィリピンはさらに逆ねじを食わせ、自国が中国の島や礁を不法に侵略・占領していることには触れず、反対に「条約」を利用して中国による主権の範囲内の埋め立て活動をあれこれ批判した。
フィリピン側はいわれなき非難に入念に装飾を施しており、非常に欺瞞的だ。これらの主張は公表後、実情を知らない受け手を惑わせる可能性が高い。したがって中国は誤った見解を正すために反応を示さなければならない。
中国外交部の発言は次のメッセージを伝えている。