中国科学院高エネルギー物理研究所、四川省甘孜州人民政府、中国科学院成都分院は、成都市で業務提携契約を締結した。中国西部に価値にして10億元以上(1元は約18.82円)の高原宇宙線観測ステーション(LHAASO)を建設し、宇宙線の起源を研究する。新華網が伝えた。
宇宙線、すなわち宇宙放射線(cosmic rays)は、宇宙の高エネルギー荷電粒子で、光速に近い速度で各方向から地球に照射される。宇宙線の起源に関する研究は、ビッグバン、ブラックホールによる周囲の物質の吸収・蓄積などの天文現象、宇宙の起源といった、全米研究評議会が2002年に指定した「21世紀に明らかにするべき11の宇宙関連問題」の謎を明らかにするのに役立つ。
中国科学院高エネルギー物理研究所の曹臻研究員は、「宇宙線が発見されてから1世紀が経つが、LHAASOは南極のアイスキューブ・ニュートリノ観測所に次いで、投資額が2番目に高い宇宙線観測装置となる。世界で最も感度の高い高エネルギーガンマ線観測装置を持つ」と話した。
契約内容によると、LHAASOは四川省甘孜州稲城県海子山に建設される。平均標高は4410メートル。曹氏は、「甘孜州稲城県が選ばれたのは、標高が高く、空港に近く、安定的な電力・通信条件、十分な水資源といった、観測に非常に適した条件を備えているからだ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年9月14日