習近平国家主席は24日夜、ワシントンのブレアゲストハウスで米国のオバマ大統領と中米首脳会談を開催した。両国元首は、3時間にわたって会談し、国家統治や中米関係など双方が関心を持つ重大問題について意見を交換した。バイデン副大統領やケリー国務長官ら米国の高官も出席した。人民日報が伝えた。
習主席は、「2013年6月に我々はアネンバーグ旧邸で会談し、中米両国が新型大国関係の構築に共同で取り組むという重要な共通認識を達成した。昨年11月、オバマ大統領が中国を公式訪問した際には、我々は瀛台(北京・中南海)で再び長時間会談した。このような立ち入った交流は、中米関係の発展に方向を指し示し、原動力を注ぎ入れるものとなった」と指摘した。
習主席は、「改革開放は中国の基本的な国策であり、中国の発展を今後も推進する根本的な動力である。中国の開かれた門は永遠に閉じることはない。外国企業の中国での投資や創業には今後、さらに開放され、緩和され、透明化された環境を整備する。平和発展の道を行くことは、中国の戦略的選択であり、歴史・現実・未来に対する客観的判断に基づいて我々が出した結論である。我々は同時に、自身の主権や安全、発展利益を断固として守る必要がある」と強調した。
習主席は、「中国は現行の国際体系の参加者・建設者・貢献者であると同時に、受益者でもある。現行の国際体系を改革・改善するということは、別の仕組みを作るということを意味してはおらず、より公正で合理的な方向へとこれを発展させるということを意味する。中国が提出した『1ベルト、1ロード』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)やアジアインフラ投資銀行の呼びかけは、開放性・透明性・包容性を持ったもので、関係国の経済発展や雇用増加、貧困減少に有利なものであり、米国を含む関係各者が積極的に参加することを歓迎する」と語った。
オバマ大統領は、「米国は中国の平和的な台頭を歓迎する。安定的で繁栄した中国は、中国人の利益に合致するだけでなく、米国と国際社会の利益にも合致する。米国と中国は気候変動問題で協力に成功しており、アフリカのエボラ流行対策でも共同支援を行った。いずれも両国が連携して世界的な試練に対応する模範となった。世界は多極化している。中国などの新興国の国際体系における発言権と代表性は高められなければならない。米国は中国が世界でさらに重要な役割を発揮することを望む」と語った。
習主席は、「中米両国は、ハイレベルの戦略的相互信頼を増強しなければならない。私はこれまでも、太平洋は、中米両国の発展を受け入れるだけの大きさを持っていると何度も語ってきた。中米両国の非衝突や非対立、相互尊重、協力、ウィンウィンを実現することは、中国の外交政策が優先とする方向である。我々のアネンバーグ旧邸での会談以来、中米関係は重要で前向きな進展を遂げてきた。双方はすでに、二国間投資協定の交渉を始動している。両国の貿易と相互投資の額は昨年、再び過去最高を更新した。両国軍隊の二つの相互信頼メカニズムの構築、ビザの互恵的手配の実現、気候変動共同声明の発表、エボラ熱流行の対応での連携、イラン核問題の全面合意達成推進での協力などの成果は、中米両国の共同努力の結果であり、両国民に評価されているだけでなく、国際社会からも幅広く歓迎されている」と強調した。
習主席は、「中米両国の間にはいくつかの相違が存在する。だが中米関係の全局から考えれば、両国の共同利益は相違を大きく上回る。双方の協力は大勢であり続けている。事実が示しているように、中米新型大国関係の構築という目標は完全に正しく、強大な生命力を備えている。双方は、この方向に沿って一歩ずつ歩んでいく必要がある。双方は今後、ハイレベルの往来を引き続き強化し、協力を積極的に開拓し、相違を適切に処理し、世論の誘導を強化し、中米関係の発展の良好な勢いを保ち、今後より長いスパンの両国関係の発展に堅固な土台を築かなければならない」と指摘した。
オバマ大統領は、「既存の大国と新興の大国とは必ず衝突するという『トゥキディデスの罠』という説に私は賛同しない。大国とりわけ米国と中国の間ではできるだけ衝突を避ける必要がある。私は、米中両国は相違をコントロールする能力があると信じている。米中間の競争は建設的なものであり、積極的な意義を備えたものであるべきだ」と語った。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年9月26日