鴻海精密集団は今年の夏から、日本のシャープとの間で液晶パネル事業の買収について話し合いを進めている。鴻海の計画では、シャープが分割する液晶パネル事業子会社の株式の半分以上を取得することになる。また鴻海はシャープの大阪にある堺工場の株式の38%の買い取りも希望する。同工場は現在、2つの会社が共同株主となり、主にテレビ用液晶パネルを生産している。「北京商報」が21日に明らかになった情報として伝えた。
調査会社・北京奥維市場諮詢有限公司黒色家電事業部の董敏総経理は、「製品が過剰であり、今の携帯電話やテレビの市場には製品の精密化の流れがあり、鴻海が世界最大の携帯電話代理生産メーカーとして、また先進的なテレビ代理生産メーカーとして、シャープのパネル事業を買収することは、一つにはハイレベルなパネルへの需要があるからであり、また一つには新たな技術や製品を製品の末端にまで行き渡らせる必要があるからだ。世界規模でみて、シャープのパネル技術は進んだものといえる」と分析する。
シャープは2011年度以降、液晶パネル事業で泥沼に陥ってきた。同事業の14年度(14年4月~15年3月)のグループ合算の売上高は9071億円、営業利益は301億円。今年春、シャープは2大主力銀行の1つのみずほ銀行と液晶事業の分割について話し合い、関連子会社の評価額は3千億円前後とされた。
調査会社ディスプレイサーチがまとめた最新の報告によると、今年1~3月に韓国LGのディスプレー子会社がシャープを追い越し、アップルの携帯電話の2番目のパネルサプライヤーになった。アップルによる売上高はシャープの営業収入の約2割を占めており、LGにアップルの仕事を奪われたシャープは、まさに泣き面に蜂といった状況だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月23日