パンパースの中国でのもう一つの競争相手は、「マミーポコ」の紙オムツ、「ソフィ」の生理用品、「プレヴェイル」(海外向けブランド)の大人用紙オムツを展開する日本のユニチャームだ。生理用品の世界市場シェアは8.6%で3位、アジアでは27%で1位。14年にはアジアでの売上高が過去最高を記録し、総売上高の約42.8%を占めた。アジア諸国のうちインドネシアでの売上高が10%、タイが5%、ベトナムが3%、台湾地区が3%を占め、大陸部は15%に達する。
日用化学品業界の関係者は、「中国の1980年代生まれや90年代生まれの親たちは子どものためなら出費を厭わない。子どもの安全に対する親の意識の高まりにともない、2012年から中国現地製品の1.7倍ほどの価格の超高級紙オムツの需要が拡大を続けており、消費がグレードアップし、花王の輸入製品のような高級紙オムツが大人気となっている」と話す。中国の高級紙オムツの年増加率は30~40%に達し、シェアは10年の10%未満から13年は15%前後に拡大した。
P&Gは売上増のため、ブランドへの投資を拡大し、ブランドの普及拡大を目指して消費者に試供品を提供するサービスを行っている。同社のジョン・モーラー最高財務責任者(CFO)は、「中国市場で、弊社は高価格の紙オムツをうち出しており、中国の親たちの子どものための出費を楽しむという傾向を利用したい考えだ。弊社は現在の売上高に甘んじることはない。ここ数年来、中国の高所得層の親たちは日本の輸入ブランドを買うようになりP&Gは中国では相対的に低い価格帯にとどまっている」と述べた。
P&Gのアラン・ラフリー社長兼最高経営責任者(CEO)は今年初めに取材に答えた際、「P&Gが中国で犯した過ちは、管理職が中国人消費者を『節約に努める中産階級』とみなしたことだ。弊社は市場の中間地帯に押し込められている。消費者はますます高級志向になり、これは弊社が下方に向かっていることを意味する」と述べている。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年10月27日
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