国内外の複数機関の予測を踏まえると、世界の産業用ロボット市場の中心は中国、欧州連合(EU)地域、米国、日本だ。日米独韓中のストックは世界全体の71.24%を占め、販売量は69.92%を占める。17年の中国の産業用ロボット市場の規模は12年の4倍になり、今後5年間のロボット産業の複合成長率は30%に達するとみられる。また今後5年間の産業用ロボットの年平均増加率は25%に上る見込みだ。
産業用ロボットは自動化技術の集大成といえ、これまでずっと自動化分野の「王冠の真珠」などと言われてきた。中国工程院(工学アカデミー)の王天然院士は、「産業用ロボットは誕生して以来、幅広く発展し、他分野への技術移転も進み、サービス用ロボットなどの新たな分野も生み出した」と話す。
王院士は、「労働力不足の解消といった問題で、産業用ロボットが果たす役割がますます大きくなっている。たとえば日本の場合、1970年代から90年代にかけて経済の高度成長期を迎え、労働力が極端に不足したため、日本は20年の時間をかけて世界一のロボット大国に発展し、さらにはロボット製造強国になった。今なお世界には産業用ロボットに対する幅広い需要がある。作業現場の数を踏まえると、産業用ロボットの普及率はまだ5.63%に過ぎない」と指摘する。
また王院士は、「現在、産業用ロボットは自動車の完成車および部品、工作機械、軌道交通、低圧電器設備、電力などの分野で十分に応用されている。ロボット技術はさらに発展を続けており、主に2つの方向性がある。1つはロボットの操作能力でより完全を目指し、速度、精度、適応性を高め、応用範囲を拡大することだ。もう一つはロボットのスマート化、ネットワーク化で努力を続け、機械と人との相乗効果を高めることだ」と話す。
関連の研究によると、中国は13年に産業用ロボットの販売量が世界最多となり、ロボット産業への大規模な投資ブームが起こったが、国内の多くの企業が、とりわけ中小企業が産業用ロボットの応用で低い水準にとどまり、ロボットの効果を十分に発揮できていない。このため国の関連当局が資源配置と政策によるバックアップの両面から産業用ロボット運用技術の研究開発の推進に力を入れ、使用に際しての難度を引き下げ、技術的性能を引き上げ、応用範囲を拡大し、中国ロボット産業の発展が直面するボトルネックを一日も早く解決することが必要になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年11月30日
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